voiceソラマドに住む人たち

interview田中邸

田中邸 完成後インタビュー

新築, 戸建て・リノベーション

創意があってこそ誕生した
【新築】と【リノベーション】が共存する家

田中幸慈(こうじ)さん(32)
知沙さん(34)
慈人(よしと)くん(2)

既成概念にとらわれない人には、固定概念という枠組みを外した提案をするソラマドの家と相性がとてもいいように思えます。

大分県・臼杵市の臼杵川の中州に位置し、醤油・味噌の製造所の老舗「フンドーキン醤油」の歴史深い情景が見渡せる高台に、2020年1月に入居した田中さんファミリー。

田中さん夫婦は【半分がリノベーション、もう半分が新築】という、ちょっと特殊な造りの家となっています。今日はその経緯や住み心地について詳しく聞いてみました。

 

 

土地を見つけてから入居まで、どれくらいの期間がかかりましたか?

 

 

幸慈さん土地を見つけるまでに1年、見つけてから1年ちょっとです。2019年6月半ばくらいに銀行さんにお金を借りて8月くらいから着工が始まり、年末くらいに終わるスケジュールで、引越しの準備をしながら駐車場や庭を整備していった感じです。

 

 

幸慈さんは隣町の津久見で仕事をされていて、知沙さんは大分市で仕事をしているにもかかわらず、住む場所は最初から臼杵で探していたんですか?

 

幸慈さんそうですね。津波が来ても大丈夫なところを探していました。臼杵で見つからなければ、津久見で探そうかなと思っていました。

 

知沙さんこの家は、臼杵市が空き家対策で実施している「空き家バンク」で見つけて、造士さんに相談して見てもらって決めました。実は、更地も探していたんですが全然いいところがなくて。そんなときこの物件を見つけ「更地で探すよりもリフォームできる空き家を探す方がいいな!」と方向転換したんです。

 

 

土地は何坪くらいあるんですか?

 

幸慈さん146坪くらい。前の持ち主さんが買い足していったようです。もともと最初の土地が70坪あって、それから70坪くらいのところに離れを2棟建てられてて、そして庭と倉庫もありました。

 

 

 

結構な広さですね。ご夫婦ともに、一軒家ではなくマンションという選択肢はなかったんですか?

 

知沙さん私は実家がマンションなのでマンション暮らししかしたことなかったんですが、主人はポツンと一軒家、みたいなところで育ってきたのもあってか、戸建が良かったみたいです。

 

幸慈さん自分が育った環境も影響してると思うんですが、できればまわりにあまり家がない環境が好きなんです。だからポツンと一軒家、とまではいかずとも、ある程度、土地は広い方がいいなと思って探しました。

 

 

では、ソラマドの家を知ったきっかけを教えてください。

 

知沙さん姉夫婦が家を建てる時に「ソラマドの家がいいな」ってずっと言っていていたのがきっかけです。結局、姉夫婦は地元の工務店で建てたんですけど、ソラマドの存在を知ってから、私はインスタをフォローしてずっとチェックしながら、自分たちが家を建てる時はソラマドさんがいいなって思っていました。

 

幸慈さん他のメーカーの住宅展示場とかも行ってみたんですけど、あまりにゴリゴリくる営業が苦手で…。

 

 

ゴリゴリ…。そんなにすごいかったんですか?

 

知沙さんもうすごかったよね…。で「なんか違うな~」と思って、次にソマラドの家のモデルハウスに行ったときは、拍子抜けしたよね。造士さんが「建てたければどうぞ」ってスタンスだったので(笑)。

 

幸慈さんでも自分たちには造士さんのようなスタンスが合っているかもって、感じました。

 

 

 

ソラマドの家を見てインスピレーションを感じたところを教えてください。

 

知沙さんモデルハウスや完成見学会にはよく足を運んでいました。佐伯のお家を見せてもらった時に、フルリノベーションしていたんです。そこを見てから私たちもリノベーションがいいねって感じましたね。

 

 

実際に住んでみて、いかがですか?

 

幸慈さん立地はいいし景色もいいし問題ないです。そして何よりカビに悩まされない。湿気が少ないというか…、風通しがいいんでしょうね。

 

知沙さん社宅の時はカビに悩まされていましたからね。

 

幸慈さん前に住んでいた社宅は家のうしろに山があって、雨が降ったら雨水が山から流れてくるから湿気がすごくて。ここに住んでからも雨が何回か降ったけど、湿度をあまり感じていないですね。

 

 

こちらのお家の特徴といえば、やはりリノベーションと新築がつながっているという点ですよね。

 

 

知沙さんそうなんです。もともとこの家は、築50年の建物と築30年の建物がつながっているという田舎ならではの造りでした。

 

 

幸慈さん玄関も、もとの家はこの場所じゃなかったんです。土地自体が傾斜地になっているところに建てた家だったので段差もたくさんあったし、ふすまに仕切られた部屋が何個にも分かれていたので、暗いイメージでした。

 

 

この、一部は新築、一部はリノベーションっていう案は、どんなふうに生まれたんですか?

 

幸慈さん最初に見積もりいただいたとき、フルリノベーションにすると予算オーバーになってしまって。だったら、もともとの面積が広いというのもあったし、解体して立て直した方がコストダウンになるんじゃないかなと考えてみました。

 

知沙さんソラマドさんからは、フルリノベーションになるとコストも高くなるから、土地から見つけ直した方がいいかもっていうご提案もありました。

でも、夫婦でこの土地が気に入っていましたし、なんとかできないかなと思い考えた末、私たちの案をお伝えしたんです。

そしたら「そっちの方が安くなっていいかも」って言ってくれて、もう一度プランを練り直してもらいました。

 

 

おふたりでできることを考えてのアイデアが功を奏しましたね。

 

幸慈さん当初からリノベーションの方が安いっていうイメージがあったんですよ、僕らのなかに。

 

知沙さん新築が絶対イヤというわけではなく、金銭的なことを考えたうえでのリノベーションっていう意味あいも強かったので【半分リノベーション、半分新築】となった今では、両方のいいとこどりができた感じがして、めっちゃラッキー!って思っています。

 

 

 

ご自分たちの案で作ってもらったお見積もりは予定の範囲内に収まりましたか?

 

幸慈さん正直ちょっと超えたけど、まぁこのくらいだったらいいかなと思えるくらいの範ちゅうでした。

 

 

家づくりって、こだわればこだわるほどに予算がふくれ上がってくると聞きます。田中さんご夫婦は、どこでセーブして節約しようと考えましたか?

 

知沙さんまず建築部分の坪数をちょっと縮小してもらって、基礎代を安くしてもらいました。床の塗料も塗ってもらいたかったけど結構高くなるから、入居前に自分たちでワックスがけをしました。

 

幸慈さんあと前の家の建具で残せるものは残しました。子ども部屋の障子とかは使えそうだったので、張り替えて再利用しています。

 

 

なるほど〜、障子の扉、違和感ないですね。そういった節約術みたいなことって、ソラマドの家からアドバイスをもらったりするんですか?

 

 

幸慈さん金額面のアドバイスはよくもらいました。「塗装とかは自分でできるけどどうしますか?」ってこちらに配慮してくれたことは多い気がします。

 

知沙さん減額案もくれました。「ここをあきらめたらいくらか安くなるよ」という提案も受けました。逆にこちらからも「この建具は再利用できないですか?」という質問にも応じてくれましたね。

 

幸慈さん外構工事も全部仕上げるとだいぶオーバーになってしまったので「ここからここまではお願いして、あとは自分たちでします」と伝えて、メリハリをつけました。

 

知沙さんお庭はある程度のところまでしてもらって、あとは自分たちが住みながらおいおいやっていこうかなと思っています。

 

 

家づくりをする前って、ある程度の知識はありましたか?

 

幸慈さんまったくないです。

 

知沙さん私も。でもインスタとか結構見てました。ほかの方のお家を建てるまでのプロセスとかを見て参考にしていましたね。いいな、と思ったものはビジュアルボードに貼ってイメージを伝えました。

 

 

 

ビジュアルボードでお伝えしたのは、奥さんのイメージが多かったですか?

 

知沙さんほぼ私です!彼の主張は「自分の部屋がほしい」ただそれだけ(笑)。あとは好きにさせてもらいました。

 

 

最初の案から変わったと思うのですが、模型は2つ提案されたってことですか?

 

幸慈さんそれが模型は一度も作ってないんです。

 

 

あら? そうなんですね。

 

 

幸慈さん土地自体の段差があったり、片方がリノベーション、もう片方は新築っていうのもあって、工事しながら高さを調整しますねって感じだったからかな。

 

知沙さん楽しみにしていたんですけどね(笑)。

 

 

幸慈さんリノベーションする家と新築を結ぶところが、段差のある渡り廊下のような部分になっているんですけど、そこの幅がせまくて…。現場判断で広さを調整してくれました。

 

 

確かに。この部分って日差しも入るし、渡り廊下というより「広い縁側」のようなかんじですね。これってソラマドの家にとっても新しい試みだったんでしょうね。ところで、おふたりともフル勤務のなかソラマドの家での打ち合わせや、臼杵へ工事を見に行く時間ってとれましたか?

 

幸慈さん打ち合わせはそこまで頻繁じゃなかったので大丈夫でしたが、現場はほとんど見には行けなかったかもですね。

 

知沙さん意外にお義父さんやお義母さんの方が見に行ってくれたよね。

 

 

それは心強いですね。お義父さんやお義母さんから見てソラマドの家ってどう見えてましたか?

 

知沙さん全然違和感なかったみたいです。うちの母なんて「めっちゃお洒落~!」ってよろこんでましたし、主人のところの両親は家の中が暖かいところが気に入ってますね。お義父さんはいつも「ぬきいな~この家は」と言ってます(笑)。杉のフローリングも気持ちいいみたいでね。

 

 

※「ぬきい」=大分弁で暖かいの意味

 

 

床材ですか?

 

知沙さんそうです。ソラマドの家のモデルハウスに行った時に「サーマスラブ」という基礎に蓄熱する暖房設備を入れてて。床だけでなく家全体が冬でもすごく暖かいので、私がどうしてもそれを入れたくてお願いしました。

 

 

その他におふたりのこだわった点を教えてください。

 

 

知沙さん私はキッチンですね。絶対ソラマドキッチンを作りたかったんです!

 

幸慈さん僕は自分の部屋ですね。まだ活用はできていないんですけど。今は物置と化しています。

 

 

それぞれに夢があるんですね〜。

 

幸慈さん自分の私物を置いて、趣味の部屋にしたいんです。

 

知沙さんマンガと自作のパソコンを置いてね…ゲームもしたいんだよね(笑)。

 

 

趣味に没頭できる部屋、いいですね。あと、ふと気になったんですが家に置いている雑貨がとても可愛いんですけど、これは知沙さんの趣味ですか?

 

知沙さんそうですね。雑貨が好きで社宅の時から「いつか家を建てたらこれを買おう」って買い集めてました。

 

 

インテリアや雑貨に統一感があって素敵ですね。

 

 

知沙さん食器類は引っ越してから集めたかったので、処分したもののほうが多かったです。あまり好みでなかったものはこの際一気に手放して、買い集めていきたいなと思っています。

 

 

これからますます好みのテイストを取り入れるのが楽しくなりそうですね。ところで、当初からお家を建てる計画ってたてていたんですか?

 

知沙さんそうですね。2人目(現在2人目を妊娠中)が生まれる前には建てたいという思いはありました。

 

幸慈さん子どもがハイハイして歩きまわっても大丈夫な家がほしいと思っていました。社宅の時はあまりそう思える住環境じゃなかったので。

 

 

臼杵で暮らす、という部分もふまえて住み心地はいかがですか?

 

知沙さんいいですよ。私、もともと臼杵が好きなんです。

 

幸慈さん城下町の風情もありながら自然も豊かだし、何より静かでいいですね。とくに夜がとても静かで落ち着きます。うちが一番うるさいかもしれない(笑)。

 

 

でも小さい子が近所にいるのって地域の方が喜んでくれませんか?

 

 

知沙さんそうそう!お向かいの方とかお隣さんとか「子どもの声が聞こえたほうがうれしいわ~」と言ってくださるので、ありがたいですね。

 

 

幸慈さんは津久見で三交代制の製造関係のお仕事、知沙さんは大分市でメディア関係のお仕事と、忙しい毎日を送られていると思いますが、家が変わってから暮らし方に変化はありましたか?

 

知沙さん私、社宅にいた時は本当に「出かけたがり」で、土日になると絶対出かけてたんです。でも今はゆっくり家で過ごす時間が増えましたね。

 

幸慈さん最近は(新型コロナなどの影響で)なかなか休日も出かけられないから、家があって本当によかったな~って実感しています。家で過ごす時間や過ごし方が全然変わりました。

 

 

造士さんがよくおっしゃっている「価値観の変化」みたいなものは感じますか?
消費に対する価値観というか。お金を消費して幸福感を得るのか、家での時間に価値を見出すのか。実際にそれをソラマドの家のオーナーになって体感されていますか?

 

知沙さん造士さん、よくおっしゃってました。最近は家で子どもたちとワッフル焼いたり、「今日はホットケーキにしてみよう」とか話してみたり。息子はソラマドキッチンになって、よろこんでお手伝いもしてくれるんです。

 

 

ソラマドの家のオーナーさんってみなさん、家族それぞれに「定位置」ができるって聞くんですけど、田中家はどうですか?

 

知沙さんできましたね。私はキッチンと、窓から景色が望める机が置かれた一画が、自分のスペースですね。

 

幸慈さん僕はカウンターが定位置ですね。息子はリビングの床の上ですかね。

 

 

 

さっきも話にあがりましたが幸慈さんは、これから自室で過ごす時間が増えるんじゃないんですか?

 

幸慈さんそうですね、あたたかくなったら…。(ちらっと奥さんの方を見る)

 

 

奥さん的には幸慈さんに自室にこもられたら困りますか?

 

知沙さん困りますよね~、やっぱり(笑)。将来は子どもにあげます、あの部屋。子どもが増えたら子ども部屋を分けれるようにしたいと思っているので、ちょうどパパの部屋も足せば3つは確保できるし。

 

 

ご主人、初耳ですか?

 

幸慈さんいえ、いつも言われています。ようやく確保できた部屋なので、子どもが成長して大きくなるまでは大事に使っていきたいですね。

 

 

 

このやりとりを見ると…。幸慈さんの自室を作る案に関してはずいぶん話しあいをされたんじゃないんですか?

 

幸慈さんですね。正直…もめましたね、僕の自室に関しては(笑)。もともとこの家に建っていた離れがあって。そこを活用するかしないかで随分話しあいましたね。

 

知沙さん彼は残したい、私は絶対いらないって。そんなことしたら帰ってこないじゃん!って。離れにこもられたら、滅多にこっちにこなくなりそうだから断固反対しました。

 

 

で結局、取り壊したんですね。

 

幸慈さんある時、離れの鍵を開けて中を確認したんです。そしたらめっちゃ臭くって。それであきらめましたね。

 

 

知沙さん、離れの臭さに助けられましたね。

 

知沙さん危なかったです(笑)。

 

 

では、ソラマドの家オーナーとして、これは伝えたいってことを教えてください。

 

 

幸慈さん住んでいて感じるのは、光。朝・昼・晩と光の入り方がちがうということを、この家に住んでから感じることができました。きっとソラマドの家だからこそ、いろんな光の感じ方ができるんだと実感しています。
日本の家って方角によって割と決め打ちされてしまうところがあるじゃないですか。でも、うちはリビングが東北なのですが、窓の使い方ひとつで、日差しが充分に降り注ぐ家になっています。光を楽しみたい方はぜひこれを体感してほしいです。

 

知沙さん今回の私たちの提案が通ったように、何を言っても否定されない、拒否されなかったのは心強いです。「まずはやってみよう!」というスタンスで話をきてくれて実践してくれるので、救われたことがいくつもありました。さっきも話したみたいに他のハウスメーカーさんのなかには、グイグイくる営業が苦手だったんですけど、ソラマドの家はこなさすぎるっていうか。造士さんをつかまえるのが大変でした(笑)。

 

あと、思ったのは、こだわりはなくて自分たちで手を加えず、スケジュールどおりに家づくりを進めたい方は、ソラマドの家は不向きかもしれません。「一緒に創っていく」という想いがなくては、ソラマドの家を選ぶ理由はないと思います。

 

 

〈編集後記〉

落ち着いていて理系っぽい幸慈さんと、ほんわかしているけど芯の強い知沙さんご夫妻が実現した家づくりは、斬新なアイデアが生まれたり、思わす吹き出してしまいそうな掛け合いがあったりと、建てる前から夫婦のストーリーがあり、それが家族のヒストリーになっていくのだと実感しました。

 

田中邸はキッチンから、臼杵の景観を望める立地になっています。そこから見える景色は本当に素晴らしい、高台ならではの特権です。日々忙しいワーキングママにとって、料理をしながら眺められる景色は心の栄養。そんな景色を眺めながら作る料理が美味しくないわけありません。

 

今年の7月には第二子が生まれる予定の知沙さん。お子さんが成長されたら、一緒にソラマドキッチンに立つ姿が想像できます。どんな美味しい料理が生まれるのか楽しみですね。庭には昔からそこにあったカボスの木が植わっていたのですが、新たにご両親たちが植えてくれたミモザ、ユーカリ、オリーブの木が仲間入りしました。家はこんなふうに家主を変えながら紡いでいけば、きっと何世代でも住み続けられるものなのでしょう。

 

新型コロナウイルスの影響もあり、今私たちは、人類に向かい襲ってくるのは地震や台風といった自然災害だけではなく、目に見えない恐怖との戦いも存在することを知ることとなりました。こんなとき自分が住まう家こそ、心休まる場所でなくてはいけないと痛感しています。

 

家族を守り育てる家は責任を持って創りたい。

「作る」でも「造る」でもなく「創る」ことを意識して、家の中には優しい時間が流れていてほしいと心から願います。

 

ささやかな楽しみを家族で見つけて、静かに過ごしたい。

 

優しい時間取り戻そう。Let’s regain calm time。

 

まさにこれに尽きる言葉以外見つかりません。

 

 

 

 ──この記事を書いた人

 

ライター/青木貴絵

大分県臼杵市在住。一児の母。さまざまな媒体の取材をするなかで、ソラマドの家と出会い、施主様の施工前と施工後のインタビューを担当する。インタビューを通して、オリジナリティあふれる家づくりやソラマドの家での暮らし方にフォーカスしていく。同じものが1つとない【スペシャルな家づくり】のストーリーをライターの目線と同時に、妻・母・主婦目線で文章に落とし込んでいる。

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