構造について

構造について

ソラマド大分の家に使う木材

木造建築の家に使う木材は、強くて安心できるものを選ばなければいけません。製材したばかりの木材は「未乾燥剤・グリーン材・生木」などと呼ばれ木材に含まれる水分が多く、乾燥が始まると木材の変形(収縮)が始まります。そうなると、木材に「反り・曲がり・ねじれ・割れ」などが起こります。また、木材の種類によっては、製材した時の大きさから最大で10ミリも小さくなってしまいます。
【未乾燥材(割れた木材)】

未乾燥材

【未乾燥剤(曲がった木材)】

水分の多い(含水率の高い)木材はとても不安定な状態なので、建築後に乾燥が始まるといたるところで変形や収縮が始まり、結果的に家そのものに狂いが発生してしまいます。
【乾燥材】
【集成材】
木造建築の家の基本は木材。だから「乾燥材」や「集成材」を使う。木造建築の家の見えない「骨組み」だからこそ、安心で強い木材を選ぶことが大切なのです。そして私たちソラマド大分は、この「強い木材」である「乾燥材」や「集成材」を構造材に使用しています。
 

強く安定した「集成材」と構造

「集成材」とは「科学された木材」で、欧米諸国では「エンジニアリングウッド=工業製品化された木材」と呼ばれ、高い強度と安定性を誇る工業用木材です。近年までその用途は体育館等の大型木造建築に限られていましたが、阪神大震災以降、住宅の耐久性が注目される中、材料としての強度や安定性が脚光を浴び、一般住宅にも使用されるようになりました。ホルムアルデヒド放散量もシックハウス新法規制対象外のF☆☆☆☆(最高等級)。空気環境にも配慮した安全な木材製品です。
【木材の強度比較】
集成材は、無垢材の節や割れなどの欠点を取り除き、良質な部分を積層することで、木材の強度を無垢材の約1.5倍に高めています。木材の強さは「ヤング係数」(ヤング率)で表せますが、上の表でわかるように、集成材は他の木材と比較してもヤング係数が高く、その出現率のバラツキも極めて少ない製品なのです。
JAS認定集成材」は、出荷時含水率15%以下と厳しい含水率管理のもとで製造されているので、他の木材と比較しても収縮・膨張・変形・狂いなどがほとんど発生せず品質が均一化されております。
【木材の収縮比較(材成300mmの材の板目方向への収縮データ)】
杉材と米松材の含水率1%あたりの収縮率は、それぞれ0.26%、0.23%とされています。含水率が1%低下するごとに、それぞれ0.78ミリ、0.69ミリずつ収縮することになります。他社の一般的な在来工法では、出荷時含水率30%以上の未乾燥米松材を構造躯体に使用することも多く、施工後には含水率が15%近くまで低下するために、その場合は約10ミリ(1センチ)収縮することになります。
これまでの日本の在来工法で使用され続けてきた、未乾燥木材使用による構造躯体の変形に伴う建物の歪みや強度低下を防ぐ為に、ソラマド大分は設計打合せの際には構造躯体の集成材化をお勧めしています。

ソラマドのひとつの特徴でもある「構造梁の表し」は、木造住宅を支える構造躯体の力強さを感じて戴けやすい仕上げのひとつです。長く使う「住まい」だからこそ、杉床などの使い込んでいく過程の経年による変化を楽しむ部分と、いつまでも変わらない構造躯体の力強さを感じ続けていける安心を提案しています。

 

正確な加工(プレカット)

土台・桁梁・柱などに行う「継手・仕口」という加工を、CAD/CAMシステム連動のコンピュータ制御された機械で自動加工する技術を「プレカット」と呼びます。プレカットで作られた部材は、従来の手加工(手刻み)に比べて人的な加工のバラツキがありませんので、部材1本1本の加工精度が高く、品質も優れています。
【プレカット工場での加工の様子】
【プレカット】
ソラマド大分では、弊社への構造材の納入業者さまである株式会社ランベックスジャパン(旧・原田木材)のご協力により、設計上最も優れた耐久性を実現するために、ランベックスジャパンの日本住宅・木材技術センターAQ認定工場またはISO9002取得工場にて、構造材を寸分の狂いもなく精密にプレカット加工して頂いております。

 

強くて頑丈な金物接合

ソラマド大分の木造住宅は、日本古来の在来軸組工法の数少ない欠点でもある構造柱・梁接合部の木材への切り欠き(断面欠損)を必要最小限度に抑えて、最も信頼性のある性能評価がされたメタルジョイント(専用の金物)にてボルト締め接合を行っています。木材本来の強さを残したまま、金物による強靭な接合と接合部分の「引き抜け」を防止して、骨組み全体の安定強度を実現しています。

【実際の切り欠き例】

ソラマド大分_金物接合①

・左木片 在来軸組工法の接合部分は切り欠き量が多い
・右木片 メタルジョイント(金物)工法の接合部分は切り欠き量が少ない

 

一般の在来軸組(木造軸組)工法は、木材の接合部分を切り欠きしてそれぞれを組み合わせる工法です。多い時では1本の木材に3方向や4方向から接合することもあり、木材の接合部分にたくさんの切り欠きが必要になる場合もあり、木材本来の強さが低減してしまう場合もあります。

 

【従来の一般的な木造住宅の接合方法】

ソラマド大分_金物接合②

【メタルジョイントによる接合方法】

ソラマド大分_金物接合③

在来軸組(木造軸組)の接合を活かしながら必要な部分に金物接合を行う事が可能なので、ソラマドの木造住宅の特徴でもある「設計の自由度」も保たれています。
【接合金物】

ソラマド大分_接合金物

 

ベタ基礎と建物の土台はホールダウンという金物(ボルト)でしっかりと留められており、土台が基礎の上からズレないように強固に固定されています。さらに構造の強化に有効な箇所に緊結し、柱にかけられた梁を張力で下方に引き付けることにより、柱と土台の結合を強化し、地震などによって柱や土台が浮き上がらない耐震構造を実現しています。

 

ベタ基礎と基礎パッキン工法

ソラマド大分では、建物床下の湿気をムラなく排湿する「キソパッキンロング」を使用し、床下全周を風が通り抜け隅々までムラなく湿気を排湿させています。一般的な従来の床下換気に比べ、1.5〜2倍の換気性能を発揮し、床下換気口を設けないので、配筋の切断もなく基礎は頑丈なまま。
また基礎と建物土台が接触しないため、土台は常に乾燥状態で湿気などによる腐朽を防ぎます。
【基礎パッキン工法】
*その他、24時間換気システム/Low-e 複層ガラス(ペアガラス)/住宅瑕疵担保保険などは標準で対応しております。

 

万全の防腐・防蟻処理

木材を長持ちさせるためには、シロアリや腐朽菌による腐れから木材を守らなければなりません。木材を長持ちさせることは、家の大事な骨組みである構造躯体を守ることになるからです。つまり、「木材の劣化対策」をしないかぎり「構造の安定」はありえないという事なのです。
【腐朽菌による木材の腐れ】

ソラマド大分_防腐・防蟻処理①

【シロアリの食害】

ソラマド大分_防腐・防蟻処理②

建物構造の耐震性能はとても大切です。しかし、その耐震性を「長持ち」させるためには、構造躯体である木材を「腐れ」や「シロアリ」から守ることも重要なのです。

 

ソラマド大分では、株式会社ランベックスジャパンのご協力により「乾式防腐・防蟻処理」という方法で建物土台等の主要な構造材の劣化対策も行っています。この処理方法は、一般の処理法に比べて木材内部まで薬剤が浸透し、シロアリや腐朽菌に対して長期安定した効果があります。木材をシロアリや腐朽菌から守ることは、丈夫で長持ちする構造躯体を作るための基本であり、見えない部分だからこそ信頼性のある対策をお勧めしております。

【防腐防蟻の処理方法】

ソラマド大分_防腐・防蟻処理③

一般的な従来の防腐・防蟻処理法(右図)は、高濃度の薬剤を刷毛やローラーを使って散布又は噴霧する処理が行われます。簡単にできる反面、薬剤が内部に浸透しないため、木材が乾燥して割れが生じた場合そこから腐朽菌やシロアリの被害を受けることもあります。
その点ソラマド大分の防腐・防蟻処理法は、乾式の加圧注入処理により木材内部まで薬液が浸透します。木材を防腐・防蟻液加圧注入機に入れ、薬液に浸して加圧をかける方法で、木材内部の80%以上に薬液が浸透することにより、木材の耐久性が大幅に向上します。
更に乾式加圧注入処理に使う薬剤(ニッサンクリーンCI)は、厚生労働省の規定する毒性区分で食塩よりも低毒な数値を示す無色・無公害の薬剤ですので、人体の健康に全く影響はありません。